防犯環境設計
【読み方:ぼうはんかんきょうせっけい、分類:防犯】
防犯環境設計は、建物や街路などの物理的環境の設計(ハード的手法)により犯罪を予防することであり、また住民・警察・自治体などによる防犯活動(ソフト的手法)と合わせて「総合的な防犯環境の形成」を目指すものをいいます。これは、欧米では「CPTED:Crime Prevention Through Environmental Design(環境設計による犯罪予防)」と呼ばれ、1970年代から進められており、状況に応じて機会があれば行われる「機会犯罪」の予防に特に効果があると言われています。
一般に防犯環境設計には、直接的な手法として「対象物の強化」と「接近の制御」があり、また間接的な手法として「自然監視性の確保」と「領域性の確保」があり、通常、これらを効果的に組み合わせて実施することが重要となります。
●対象物の強化
犯罪の被害対象になることを回避するため、犯罪誘発要因の除去や対象物の強化を図る。
●接近の制御
犯罪企図者(犯罪を起こそうとする者)が被害対象者(物)に近づきにくくする。
●自然監視性の確保
多くの人の目が自然にゆき届く見通しを確保する。
●領域性の確保
領域を明確にして、部外者が侵入しにくい環境を作る。