震災の帯
【読み方:しんさいのおび、分類:地震】
震災の帯は、直接的な活断層の動きとは別に、周辺より大きな地震の被害が出た特定の帯状の場所をいいます。これは、1995年の阪神・淡路大震災で、被害の集中地域が東西長さ約20km、幅約1kmに帯状に連なって現れたことから注目されるようになりました。通常は、地震を起こした「震源断層」の真上で強い揺れが起きるはずですが、阪神・淡路大震災では、震災の帯が震源断層の真上よりも海寄りや東寄りに出現し、震度7の強い揺れに襲われました。
この原因としては、地震基盤(硬い岩盤)から、その上に厚く堆積した堆積層(柔らかい地盤)中を地表に向けて地震波が伝わる過程で増幅されたこと、さらに六甲山地から大阪湾にかけて岩盤が大きく沈み込んでいるため、六甲山地側に回り込み、この埋もれた崖を通って横方向から堆積層に入ってきた地震波と、真下から入ってきた地震波とが特定の場所で重なり合うことにより、本地域(震災の帯)の地震動が極めて大きくなったことが指摘されています。