ヨウ素131
【英語名:Iodine-131、分類:原子力】
ヨウ素131は、原子番号53のハロゲン元素の一つである「ヨウ素(Iodine)」の放射性同位体です。これは、半減期が約8日で、ベータ線やガンマ線を放出して、安定的なキセノン131(134Xe)となります。また、ヨウ素は体内に摂取されると甲状腺に多く沈着するという特色があり、ヨウ素131も同様で、人体への影響面では、体内摂取時のベータ線による内部被ばく(甲状腺被曝)が問題となります。なお、ヨウ素131の体内への取り込みを防ぐには、安定同位体のヨウ素127をヨウ化塩の形で体内で飽和させる方法があり、通常は安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウム)が用いられます。
一般にヨウ素131は、核分裂生成物キセノン(Xe)の崩壊により生成される揮発性の核種で、原子炉や再処理工場の排気ガス中に含まれ、2011年3月の福島第1原発事故の際には大量に放出され、大きな問題となりました。