原子炉
【読み方:げんしろ、分類:原子力】
原子炉は、原子核反応(核分裂または核融合)を安定かつ継続的に持続させる装置のことをいい、日本の原子力基本法では「核燃料物質を燃料として使用する装置」と定めています。これは、核融合炉がまだ実用化されていないため、通常は核分裂連鎖反応を制御しながら持続させる「核分裂炉」を指すことがほとんどです。現在、その種類としては、核分裂連鎖反応に主として関与する中性子の運動エネルギーの大きさにより「熱中性子炉」や「高速中性子炉」などに分類され、また減速・冷却に用いられる物質により「軽水炉」や「重水炉」、「黒鉛炉」などに分類されます。
一般に原子炉には、発電を目的とした「動力炉」と、基礎研究や中性子の利用を目的とした「研究炉」とがあり、その燃料には、主に濃縮ウランが用いられているほか、一部ではMOX燃料(ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料)を使用しているものもあります。また、運転の制御や停止の際には、「制御棒」と呼ばれる中性子吸収材が用いられています。
●核分裂炉の分類
・軽水炉(加圧水型原子炉、沸騰水型原子炉)
・重水炉
・黒鉛炉
・高速中性子炉
・高速増殖炉
●原子炉の基本構成
・炉心(燃料棒、制御棒、冷却材、減速材、反射材)
・炉壁/容器(原子炉圧力容器、原子炉格納容器)