臨界
【読み方:りんかい、分類:原子力】
臨界は、核分裂の連鎖反応が安定した状態で続くことをいいます。これは、中性子の生成と消失の均衡が保たれ、核分裂連鎖反応が同じ割合で持続している状態を指し、また原子力発電所では、この仕組みを利用して、制御棒などによって中性子数を制御し、原子炉を臨界状態に保つことにより発電を行っています。
一般に核燃料物質は、核分裂性物質の量・形状・中性子に対する条件が整うと、核分裂の連鎖反応が起こります。具体的には、核燃料物質は中性子が当たると核分裂を起こす性質があり、核分裂に伴って2~3個の新たな中性子が発生します。通常、この中性子が別の核燃料物質に当たると、次々に核分裂を起こしますが、臨界状態では、核分裂によって発生する中性子数と核燃料物質などに吸収されたりして消失する中性子数が均衡状態となります。