冷温停止
【読み方:れいおんていし、分類:原子力】
冷温停止は、原子力発電所などにおいて、原子炉内の温度が100度未満となって、原子炉が安定的に停止した状態のことをいいます。これは、日常的な作業では、制御棒を挿入して原子炉を止めた後に、原子炉の水の温度を下げて、原子炉の状態を安定させる措置です(運転中は300度近い温度)。通常、核燃料は、原子炉が止まっていても常に熱を出すため、真水を炉内に送り続けることで、原子炉を安定した状態に保つ必要があります。
2011年の東京電力の福島第1原発事故では、東日本大震災の大津波によって冷却装置が故障し、原子炉内の核燃料が過熱して冷温停止状態がうまくいかなかったことにより、炉心溶融(メルトダウン)や水素爆発が起こり、史上最悪のレベル7の原発事故となりました。