メルトダウン/炉心溶融
【英語名:meltdown、分類:原子力】
メルトダウンは、「炉心溶融」とも呼ばれ、原子炉の炉心冷却が不十分な状態が続き、あるいは炉心の異常な出力上昇によって炉心にある核燃料が過熱し、燃料集合体または炉心構造物が溶融するという深刻な原子力事故をいいます。これは、何らかの要因で原子炉冷却材の喪失事故が起った後に、非常用炉心冷却系が全く作動しなかった場合などが想定例として挙げられます。ちなみに、燃料集合体の燃料棒の中にあるペレットが溶ける温度は、2700~2800度とのことです。
2011年の東京電力の福島第1原発事故では、実際に炉心冷却ができなくなり、メルトダウンが起りました。また、原子炉圧力容器の一部が破損し、さらに原子炉格納容器の一部も破損したため、多くの放射性物質が外部に放出され、日本政府は国際原子力事象評価尺度(INES)に基づいて、過去最悪の「レベル7」と評価しました。