スロースリップ/ゆっくり滑り
【英語名:slow slip、分類:地震】
スロースリップ(ゆっくり滑り)は、「ぬるぬる地震」とも呼ばれ、普通の地震による滑り(スリップ)よりも遥かに遅い速度で発生する滑り現象のことをいいます。これは、プレート境界や地下の断層が地表に大きな揺れをもたらさないまま、比較的長い期間をかけて、ゆっくりとズレ動く現象を指します。通常、海溝などの沈み込み帯でよく見られ、また一つのプレートの中に存在する断層の面でも発生するとのことです。
一般にスロースリップによって、ズレた部分は歪みが減少して地震が減る一方で、その周辺は逆に歪みがたまり、地震が起きやすくなると考えられています。今日では、GPS(全地球測位システム)の地殻変動観測調査によって各地で検知されるようになり、大地震の前兆の可能性の一つとして注目されています。